2016年06月22日

先週から満開だよ



ここに水仙が植えられていることに初めて気付いた哲が嬉しそうに言った。
そうだよ!ずっと前からあるし、!

もうすでに何度もここを通っている私は「当たり前」のことのように哲にそう言い、その水仙を横目で眺めた。
一週間前に蕾が開いたのを見た時は、うわ~、、と声をあげ、いろいろな角度から写真を撮っていたのに。

あれは1年半前に帰国した時のことだった。
朝ドラを観ながら朝食を済ませ、その流れで朝の番組を観ていた。レポーターがしたコメントに、出演者が「そうですよ!これは~なんですよ!」と言い、自分の知っていることをその後付け加え話していた。すると普段はあまり人のことを悪く言わないママが、食器を洗っていて濡れた手をエプロンで拭きながら、「物事は、そんな風に知ったかぶって言うものじゃないわよねぇ。」と言った。

小さい頃、私を注意するのは決まってパパだった。ママはいつも優しくて、我がままな私を寛大に受け入れてくれていた。今思うと、叱られたことを思い出せない。
だからママがそんな諭すようなことを言ったのが新鮮で、自分が諭されたかのようにハッとしたのだった。

そう、私はよく「知ったかぶり」する。
知っていることを誰かに見せたっモノを置いた場を忘れる
て仕方がないのに、おそらく自信が無いからなのか、昔からそうなのだ。
それは末っ子だったからなのかもしれない。いつも自分よりも多くのことを知っている姉に負けじと、知っていることを話し、認めてもらいたかったからなのかもしれない。

そうだよね、水仙、きれいだよね~。と言えなかった私は、また知ったかぶりをしたのだった。


冬から春に移り変わり始めることは、どんな小さな蕾も芽も逃さんとばかりにキョロキョロし、そしていちいち感動していた。でも今はこんなに真っ赤に薔薇が咲きほこっていても、それは「当たり前」となり、これは一応撮った写真だった。

世の中には「当たり前のもの」なんて無く、いつでも「当たり前で無い物」を享受しているのだということを忘れやすい私にとって、四季があって本当に良かったと思う。例えそれぞれの季節の美しさを忘れたとしても、1年に4回訪れる四季の変化のお蔭で、当たり前が当たり前でないと気付かせてもらえる。そして感謝出来る。



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